私たちの住空間とカビ

近年建てられた家屋は窓がサッシになり機密性が高く、すきま風などを防いでくれます。室内は冬でも暖房がたかれ過ごしやすい温度に保たれています。部屋が乾燥するとノドやお肌に良くないと加湿器を回し、湿度を保っています。
この人間にとって居心地の良い住空間は、実はカビにとってもピッタリの生育環境。家の中にいる種類のカビはだいたい10~35℃くらいが生息可能範囲であり、それ以上やそれ以下であるとあまり増殖しません。
日本でも冬は10℃以下の気温になることはざらにありますが、人間にとって居心地の良い温度に保たれる家の中ではカビの大好きな温度域なのです。
家の中にはカビのエサとなる有機物がいっぱい転がっています。食べ物のカスやホコリ・垢などです。こまめな掃除でもこれらを一つ残らず取りきることはできるでしょうか?

空気清浄機だけでは対処できません

カビの発生には湿度も大きく関係しています。一般に70~99%の水分量が一番カビの好む湿度と言われています。つまり濡れた後の生乾きが最も危険な状況です。家庭の加湿器はミスト状で水滴にはならずに壁に付着し、呼吸をするカビにとって大切な酸素とのやりとりが可能な場所に温床を作ってしまうのです。換気をしていれば昼間などの外気により乾燥しますが、機密性の高い現代の建物では湿気がいつまでも残ってしまうのです。
カビは空気中に浮遊しており、空気清浄機を使っても完全に除去することはできません。ある程度除去しても換気をすればまた同じことですし、換気を怠ればさらに湿気が溜まってカビの温床作りに貢献することになるのです。カビを生やさないためには専門の防カビ処理が必要なのです。