巷には「スゴイ効果」の商品があふれている

TVのコマーシャルやドラッグストアの広告には、いわゆる「抗菌剤配合」「消臭成分添加」などのコピーが踊っています。では実際その商品を使えば今後すべて問題は解決するのでしょうか。ほとんどの場合「効いている気がする」レベルであると思います。宣伝とおりの効果が現れていればベストセラーになり、他の類似した効果をうたう商品があふれることはないはずなのです。大手の経済力で宣伝をすれば、みなその商品が実績のある素晴らしいものであると信じ込んでしまいます。もちろん効果がゼロなわけではないので、少しの効き目で「買った甲斐がある」と満足してしまうのです。
しかし業務用途に使うプロはそんなイメージには流されません。効果があったかなかったか、結果がすべての世界で商品選びをしているのです。

市販の製品を使っても効果が現れないワケ

例として抗菌剤のお話をしましょう。一般住宅には57種の菌が存在すると言われています(世界微生物災害防止学会承認)。世界で一番使用されている米国カルゴン社のTBZはカビ(真菌)32種にのみ効果があります。その他の抗菌剤は10菌以下しか効果を示しません。またTBZは40年ほど前から日本に入っているのですでに耐性菌が3菌出来てしまっています(ということは、現時点では29菌にしか効果がありません)。また、JIS(日本工業規格)のかび抵抗性試験(JISZ2911)では特定5菌のみの試験です。日本で売られている防カビ剤のほとんどがJIS試験に合格していますが、実際の環境で効果が出ない、つまりカビが発生するのは57菌すべてに効果がないからです。一般住宅に通常存在する57菌すべてに効果を持たないと防カビ・抗菌剤としての意味がありません。そのため市販の製品を使ってもカビは繰り返すのです。